明治から大正にかけて、役所や行政機関などの官庁で、洋風なデザインを取り入れた庁舎が建築されました。
その洋風に建築された庁舎のことを「洋風官衙(ようふうかんが)」と呼ぶそうです。
現在では、「洋風官衙」建築物は貴重な建築物となっています。
この「洋風官衙」建築物が秋田県湯沢市にも存在します。
『雄勝郡会議事堂 記念館』です。
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この『雄勝郡会議事堂 記念館』は、現代に残る貴重な文化財として、秋田県指定有形文化財にも指定されています。
郡会議事堂って何?
『雄勝郡会議事堂 記念館』と聞き、「郡会議事堂って何?」「国会議事堂なら知ってるけど!」と、みなさん思うのではないでしょうか!
郡会議事堂を知るにあたって、まず「郡」について押さえましょう!
「○○県〇〇郡○○町」のように、地理的名称としての「郡」は、みなさん知っていると思いますが、その「郡」が地方自治体として存在していたことを知っている人は少ないと思います。
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え!! 「郡」という地方自治体が存在したということ?
1878年(明治11年)~1923年(大正12年)まで、都道府県と町村とのあいだの事務処理をさせるため、従来から存在していた地理的名称としての「郡」に、地方自治体としての機能を持たせたそうです。
そのため、地方自治体となった「郡」に、次の機関が設けられました。
- 行政機関として「郡役所」
- 理事機関として「郡長」
- 決議機関として「郡会」と「郡参事会」
そして、郡の決議機関としての「郡会」が執り行われた場所が、『郡会議事堂』です。
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じゃあ、雄勝郡の郡会が執り行われた場所が「雄勝郡会議事堂」なんですね!
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そのとうり!
『雄勝郡会議事堂』は、雄勝郡(おがちぐん)が地方自治体として存在したときの、雄勝郡の郡会を執り行った議事堂ということになります。
当時の雄勝郡は、現在の湯沢市・雄勝郡 羽後町・雄勝郡 東成瀬村と横手市の一部にあたります。
『雄勝郡会議事堂 記念館』は、明治25年落成の築130年。現在も現役で使用中!
『雄勝郡会議事堂 記念館』は、明治24年(1891年)に着工し、明治25年(1892年)落成した、歴史ある建物です。
落成から、なんと約130年です!
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現在も現役で使用されていて、会議室や展示場として一般に貸し出しもしています。
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施設内は無料で公開していますので、自由に見学することができます。
1階は、旧 事務室や議長室。現在は、資料展示室
『雄勝郡会議事堂 記念館』の1階は、郡会議事堂だった当時、事務室や議長室として使われていました。
現在は、資料展示室や貸し会議室となっています。
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ここが『雄勝郡会議事堂 記念館』の入口です。
入口は、鎧戸となっています!
入口の天井にある照明器具なども、当時のままで「洋風官衙」の雰囲気を感じられます。
このような当時のままの装飾が、館内のいたるところにあるので、そこも『雄勝郡会議事堂』の見どころです!
館内に入ると、まず、ホールとなる廊下が奥まで続きます!
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入口の左手にある部屋は、旧 事務室で、現在は展示室となっています。
右手にある手前の部屋は、旧 議長室で、現在は資料展示室。
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湯沢の歴史と、『雄勝郡会議事堂』の歴史がわかる資料が展示されています。
右手奥の部屋も資料展示室となっています。
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江戸時代に書かれた「湯沢絵図」のレプリカが展示されてあります。
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こちらは、昭和8年(1933年)に書かれた「湯沢のまちなみ」です。
2階は、旧 議場。現在は、「絵どうろう」が展示される展示場
2階は、旧 議場です。
現在は、展示場として使われています。
2階にあがる階段ですが、西側と東側にあります。
そして、西側と東側で、それぞれ使う人が決まっていたようです。
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こちらが、入口に近い側の東側階段です。
この階段は、傍聴者用の階段だったそうです。
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そして、こちらが西側の階段。
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こちらの階段は、議員用の階段だったそうです。
階段の手すりのデザイン、照明器具のデザインなど、当時の雰囲気が伝わってきます!
見どころです!
そして、2階フロアーは、旧 議場。
現在は、展示場になっていて、湯沢の代表的な夏のお祭り「七夕絵どうろう祭り」で使われる「絵どうろう」が展示されています。
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議場と傍聴席のあいだには、柵が設けられてあります。
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「絵どうろう」が展示されている側が議場で、柵の手前側が傍聴席でした。
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郡会議員だった方たちは、この扉から議場へ入っていったのでしょうか!
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傍聴席では、当時どれくらいの人数の人たちが傍聴に来ていたのでしょうか?
当時に想いを馳せます!
『雄勝郡会議事堂 記念館』は、とても保存状態が良好!
『雄勝郡会議事堂 記念館』を見学して感じたのは、約130年前に落成した建築物なのに、保存状態がとても良好だということです。
その理由は、約130年のあいだ、ずっと使い続けてきたからではないか!と、私は思います。
約130年間、ずっと使い続けてきたことがわかる『雄勝郡会議事堂 記念館』の沿革は、次のとおりです。
【※読むのが大変だと思う方は、沿革は読み飛ばしても結構です!】
- 明治24年 竣工
- 明治25年 落成
- 明治36年 議事堂付設図書館が開設。
- 大正12年 雄勝郡から湯沢町に払下げとなり、湯沢公会堂・秋田県雄勝地方事務所・湯沢町役場として使用。
- 昭和29年 湯沢市役所として転用。
- 昭和36年 湯沢市役所の新庁舎移転に伴い、1階が湯沢公民館、2階が湯沢図書館となる。
- 昭和46年 湯沢公民館の移転に伴い、全館が湯沢図書館となる。
- 昭和48年 湯沢市指定有形文化財となる。
- 昭和49年 湯沢市役所 分庁舎として使用。
- 昭和50年 秋田県指定有形文化財となる。
- 昭和57年 湯沢図書館が移転。以降、湯沢市教育委員会が管理。
- 昭和59年 全面補修工事
- 昭和60年 『雄勝郡会議事堂 記念館』となる。
- 平成19年 鎧戸の復元
- 平成25年 議場柵の復元
このように、130年間使い続けられてきました。
使い続けられたからこそ、建物内に空気が入り、朽ちることなく良好な状態で現存するのだと思います。
そして、使い続けてきたからこそ、老朽化した箇所や不具合があった箇所の修繕がなされ、130年の時を経ても良好な状態を保ち続け、現在の私達に、当時の空気感・歴史・ロマンを感じさせてくれるのではないでしょうか!
『雄勝郡会議事堂 記念館』
一見の価値ありです!
みなさんも、明治25年落成、築130年の「洋風官衙」を見て、明治・大正の雰囲気と歴史を感じてみてください!
『雄勝郡会議事堂 記念館』へのアクセス
【鉄道でのアクセス】
秋田新幹線 大曲駅から奥羽本線 上り電車に乗り換えて約40分
湯沢駅 下車
徒歩 約8分
山形新幹線 新庄駅から奥羽本線 下り電車に乗り換えて約1時間
湯沢駅 下車
徒歩 約8分
【車でのアクセス】
東北中央自動車道 湯沢インターチェンジで一般道に降りて、湯沢市内を約5分
ぜひ、貴重な「洋風官衙」の建築物、『雄勝郡会議事堂 記念館』を訪れてみてください!
- 名 称:雄勝郡会議事堂 記念館
- 場 所:秋田県湯沢市佐竹町1番1号
- 開館時間:8時30分~17時00分
- 入場料金:無料
- 休館の日:年末年始
『雄勝郡会議事堂 記念館』のお問い合わせに関しては、公式ホームページでご確認ください。
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